about Youは、ひとり一人が抱く自己実現の射程距離を延ばすことを主張しています。自己実現は個人の内面に留まらず、未来・社会・世界と結びついて大きくなることをお伝えするために、市場があることを他ページで書きました。
しかし、実は自己実現の市場と
名付けられた市場は、
この世にはありません。
その理由は、交換行為が行われる場が
設けられていないことからです。
①挑戦②成長③価値④解放と
4つに切り分けた自己実現の構成要素が、
社会・業界にある課題群・テーマと
連携しようとするあらゆるやり取りを
自己実現の市場と表現します。
市場は、交換が行われる場ですが、目先では貨幣を介した交換が行われる場が大半です。自己実現の市場においての交換は、貨幣以外の媒体を設けることに可能性と煩雑さが生じるでしょう。全てではないですが、交換にも4種類のやり取りがあります。
自己実現の市場は貨幣交換より
場づくりと働きかけを介して
大きく拡げることを目指します。
歯がゆさは、自らの手と力が社会に届かないことに、距離が遠いと感じる気持ちを指します。
変革すべきテーマは、一人ひとりが抱く歯がゆさの延長線上にある社会や業界に横たわる個人・集団(組織)・社会の各領域中にある課題群を指します。
一人ひとりのみならず、その課題群によって影響を受けている一定数の方々から変わることが望まれ、理想像に向けての挑戦と成長を湧き起こすほどの大きさ、または意味を持つカタマリとして捉えることが出来る課題群です。
個人が抱く歯がゆさと、変革すべきテーマの相関図において、組織・業界・社会にある課題群以外にも、常識・因習・制約にも、個人の挑戦と成長を抑制している課題群があることを提起します。
自己実現の市場では、自らの手と力を遠くまで延ばすことを通して、歯がゆさとの距離を縮めることを消費者ニーズとして、社会や業界に横たわる変革すべきテーマをマーケットとして意欲的に捉えます。
社会や業界に横たわる変革すべきテーマをマーケットとして捉えることによって、アイテム・サービスの創造を試みることが可能です。
変革すべきテーマについて、今のところのリストの一覧です。
これらは、ひとり一人にとっては関わることができる挑戦と成長であり、ビジネスにとっては未来の顧客とともに関わりを見出す市場であり、社会にとっては現状の打破が求められる変わらない仕組みに代わる人を活かす正しいシステムです。
下に掲げるリストはほんの一部であり、試案です。下図から関心を抱くあなたからの肉付けを歓迎します。
これらは、ひとり一人にとっては関わることができる挑戦と成長であり、ビジネスにとっては未来の顧客とともに関わりを見出す市場であり、社会にとっては現状の打破が求められる変わらない仕組みの数々です。
この大分類はほんの一部であり、ここから関心を抱くあなたの肉付けを歓迎します。
2017年5月、経済産業省から一つのレポートが上梓されました。
「不安な個人、立ちすくむ国家」
第20回 産業構造審議会総会(2017年5月18日)における部会資料の一つとして、省内若手プロジェクトから東京大学教授陣と、松岡正剛氏をヘッドとする有識者との意見交換を経て提供された一人ひとりを閉塞感が覆う産業構造における危機感を表したものです。その危機感を、こう一言で表しています。
「モデル無き社会」
上梓から既に数年が経過したことから目にしたことが無い方も多いようですので、ここで紹介します。スライドは70枚程あるので、全てを載せるわけではないですが、ここに一枚だけ載せます。公表資料ですので、下に在るボタンからpdfでご覧いただくことができます。
この1枚は、私たちが漠然と抱えている不安・不満を凝縮したものです。私たちが抱えている不安・不満は4つあります。
早すぎる変化/あふれる情報
変わらない仕組み/見えない将来
この4つの不安・不満は、組織中心社会から個人中心社会に移行する中で、個人の決断やリスクテイクに依存する領域が増大したことから沸き起こっていると書き込まれています。そして、この4つの不安・不満が覆う社会の液状化を「モデル無き社会」と言いまとめています。
そして、モデル無き社会に在る経済産業省が読み取った問題提起は7つあります。個人の見解は分かれることには違いないですが、少なくてもデータを掴み、産業構造をつかさどっている当事者が表した危機感について、マーケットと読み替えることを提起します。
平成間30年で日本の1人当たり実質国内総生産(GDP)は2倍近く伸びたにもかかわらず、個人の生活満足度は決して上がっていない。
1人当たりGDPが幸福度に与える影響度は世界的に低下傾向にあり、社会の豊かさを追求することは重要だが、政府が「共通の目標」としてGDPを掲げ続けることは、かなり難しくなっている。
個人の選択に関する情報についても、増えた情報流通量は個人の選択肢を広げる一方、同時に各人が膨大な情報の中から選択することの重要性が非常に高まっていることを念頭すべき。
テレビやラジオよりもソーシャルメディアの情報を信頼している人の方が若者を中心に多くなっているが、ソーシャルメディアには、自分に都合のいい情報にしか触れられなくなるという弱点があり、さらに意図的にうそのニュースが流されるなどして個人が情報操作されるというリスクも抱えている。
その結果、社会全体としての意思決定が極端なものとなる可能性を中長期的に見つめたい。
●モデル無き社会は、既にそうだから変えられない。
●モデル無き社会について、明確な打破を目指した動きはない。人や政治も含めて、誰もその動きを取っている存在は居ない。
●Facebookに代わるコミュニティを一から築くことは、労力が多大で意味がない。
●私たち官僚が提起する抜本的提案としての制度設計は、一定の進捗にある。
従事者 |
6,076万人/23'年。統計上の雇用者のこと。6,076万人の94%は5,711万人。 |
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完全失業者 |
163万人 |
在学者 |
1,789万人/23'年。教育課程に居る若者のこと。 |
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表示したいテキスト
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米ギャラップ社が発表する世界各国を対象にした従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査では、日本は熱意あふれる社員の割合が米国の32%と比べて6%と大幅に低く、2017年版では139カ国中132位、2023年版でも125カ国中124位と最下位クラスにいます。
6% |
Fully Engaged 熱意あふれる社員 |
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70% |
Not Engaged やる気のない社員 |
24% |
Actively Disengaged 不満をまき散らす無気力な社員 |
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経済産業省が統計から読み取った「産業構造を閉塞感が覆っている」とまとめたことからも、自己実現の市場規模は、個々のマーケットではなく、全体が縮小傾向にあると扱います。
世界的な自己分析ツールであるストレングスファインダーを主宰している米ギャラップ会長ジム・クリフトン氏も、日本の従事者のエンゲージメントが30%レベルまで引きあがれば、アメリカのGDPに迫るだろうという見解をかつて示したことから、about You が自己実現の市場の見積を表すとき、国内GDPの4.94兆㌦/21'年が、アメリカの23.32兆㌦/21'年に肉薄するかどうかで自己実現市場を大きく見積もりたいと考えます。
実際には、アメリカは世界規模でネットワークを展開しているので、同等まで広がるかは別にして、アメリカから来るものの恩恵を受けている関係から、ジャパンからワールドへ仕掛け、展開するには、文化以上の価値基準を編み出そうとする構想をカタチにした事業が研究されないと、ありがたく使うという関係以外の見通しがつきません。
実際、育つかは別にして、自己実現を実現化することに挑む市場開発に着手できればと思います。
自己実現の市場は分析による抽出ではなく、
可能性の積算で創出するものです。
批評と研究は後世に任せます。
一人ひとりが社会に抱く歯がゆさと、あらゆる領域に横たわる変革すべきテーマを集め、 共に次の働きかけを編み出すための起案としてまとめた執筆物があります。
私たちがそれぞれ携わる事業は、一人ひとりの自己実現(欲求)を掴み育てるやり方を通して、既にファクトベースで捉えられている国内に横たわる社会課題全体を、一人ひとりにある自己実現の意思と結びつくマーケットとして扱えることをまとめています。
レポートは、下のボタンからダウンロード可能です。